ベークラの挑戦

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子どもに筋トレってさせていいの?子どもの筋トレの噂と真実

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みなさんは「子ども時代に筋トレをすると背が伸びなくなる」なんて聞いてことありませんか?

 

私も最近まで信じていました。

でも、実は逆だったんです。

本当は「子どもにウェイトトレーニングをさせると背が伸びるかも」が真実です。

 

実は5歳でもレジスタンストレーニングの効果が得られる(kaufman lb,2007)という研究データもあります。

 

5歳がバーベルを持ってる・・・すごい光景ですね。

 

この記事では「子どもにウェイトトレーニングは早いのか?」「ウェイトトレーニングをするとどういった効果があるのか?」ということを説明していこうと思います。

 子どもにウェイトトレーニングを行っていいのか?

子どもにウェイトトレーニングは行っていいです

ただし、適切な指導者、環境があればという条件付きです。(子どもとは10~18歳のことを指す)(また、レジスタンストレーニングとはバーベルやダンベル、チューブなどを使用したトレーニングを指す)

 

今日では臨床医・コーチ・運動科学者の間でレジスタンストレーニングが子どもにとって安全で効果的なコンディション手法であるという意見で一致しています。

 

少年・少女ともにレジスタンストレーニングを行う人数は増加傾向にあり、主要なスポーツ団体は資格を有する専門職の監督下で行われるレジスタンスエクササイズの参加を支持しています。

 

ここで重要なのは適切なトレーニングプログラムを指導できる専門職の監督下ということです。

大人と子どものウェイトトレーニングの違い

前提として子どもは大人のミニチュアではないということです。

 大人は大人のルール・子どもには子どものルールが存在します・

 

子どもたちがどれだけ身体が大きく、体力があったとしても身体的には成熟しきってはいないということを忘れてはいけないです。

 

トレーニングの強度(重量)や量、や頻度を大人と同じように行ってしまうと障害のリスクを負ったり、長期的に健康を害する危険があります。

 子どもたちの身体能力は低く見積もり、トレーニング量と強度は徐々にあげていく方がいいです。

子どもに筋トレは意味がない?

いろんな方の話を聞くと「子どもに筋トレは早い、というか意味がないって聞いた」という意見をいただきます。

 

確かにレジスタンストレーニングに参加した前青年期の子どもにおいて筋力の増加が見られなかった(Docherty D,1987)といった研究データも存在します。

 

しかし、現在ではトレーニングの強度や量が適切ならば、少年少女の筋力は成長や成熟のみによるもの以上に増加することが明らかであるとされています。

 

8〜20週間のレジスタンストレーニングの参加によって約30~40%の筋力の増加が観察されています(Lloid RS,2014)

 

しかし、大人と違い初期の適応が起こった後(約30~40%の筋力の増加)は筋力の変化は弱まります。そして、子どもが得た筋力の増加は永続的なものではなくトレーニングの中止(ディトレーニング)によってトレーニングしていない頃に戻る傾向にあります。

 

また、体育などの運動を行っていたとしても前青年期で得た筋力は維持できなかったという報告もあります。

これは筋力は最初の頃は一気に上がるがその後停滞しまうため、諦めてレジスタンストレーニングを中止してしまうと筋力はトレーニング前の頃に戻ってしまい、最初からやり直しということになるということです。

 

子どものウェイトトレーニングは継続的に少しずつ進行させていくことが何より大事!!

子どもの筋力が上がる理由は筋肥大じゃない?

トレーニングでの筋力の増大は大人では筋肥大によるところが大きいが子どもではさまざまなホルモン(テストステロン・成長ホルモン・インスリン様成長因子)の循環がレベルが低いため、筋肥大が起きにくいです。

 

ではなぜ子どもの筋力が上がるのか?

 それは神経的な要因の発達です

 最大筋力は筋肉の大きさだけではなく、その筋肉を動かすための脳からの指令の強さや範囲の広さにもよります。

 

子どもの筋力の増大は神経が発達し、運動単位の活動および同期の増加や発火頻度の促進されるからだと考えられます。

子どもが筋トレをするメリット

子どもが筋トレ(レジスタンストレーニング)を行うメリットとしては

・筋力の増大が獲得できる

・骨の成長を促すことができる

・スポーツ競技における障害を減らすことができる

・運動スキルやパフォーマンスを向上させる可能性がある

・肥満児に対して体脂肪を減らし、心機能の促進

などがあります。

 

骨の成長ついては大人にも当てはまることなんです。

レジスタンストレーニングでの負荷が増加していくとともに力学的ストレスが増加していきます。それに伴い、体を支えている骨そのものの質量・強度が上がっていくとされています。

 

なので、筋肥大と筋力が向上する様なレジスタンストレーニングは骨の成長も刺激すると考えられます。

これトレーニングされた大学の選手にも起こります

また、未成熟な骨の方が骨形成刺激に対して成熟した骨よりも反応しやすいです。

 

しかし、なぜ筋トレをすると背が伸びなくなるという話があったのか?

それは子どもの成長軟骨は外傷やオーバーユースで傷つきやすく、傷めてしまうと骨への血流や栄養供給が止まるおそれがあり、その結果永続的な成長の阻害が起こり得るからだと思います。

 しかし、適切なガイドライン(十分なウォーミングアップ・個別に負荷を漸進・密接な監督下)に従った研究では骨端線損傷は報告されていません。

重いものを持つと身長が縮む!?筋トレと骨の成長について - ベークラの挑戦

まとめ

結論

子どもに筋トレはさせた方がいい

しかし、適切な指導ができる専門職の元だけで

やらせた方がいい

 

メリット

・筋力の増大が獲得できる

・骨の成長を促すことができる

・スポーツ競技における障害を減らすことができる

・運動スキルやパフォーマンスを向上させる可能性がある

・肥満児に対して体脂肪を減らし、心機能の促進

 

デメリット

適切な指導じゃないと

障害や成長阻害、オーバーユースの可能性がある